設計の考えごと|vol.1
実家リノベの設計は、「記憶」と「これから」をつなぐ仕事
実家リノベの設計は、ただの図面づくりではなく「暮らしの記憶」と向き合う作業。
このカテゴリでは、そんな設計の裏側や、日々感じていることを綴っていきます。
設計は「間取り」よりも「会話」から始まる
初回の打合せで、私は間取りの話よりも、家族のことをよく聞きます。
「誰が何を大事にしてきたか」「この家でどんな思い出があったか」。
設計は“暮らしの翻訳”だと感じています。
「残したい」の奥にあるものを引き出す
「この欄間は残せますか?」「できれば玄関は変えたくなくて…」
そんな言葉の裏には、思い出や愛着、感謝の気持ちが込められています。
だから私は、「残すか・変えるか」という判断を、単なる機能性だけでは決めません。
“思い出”も“使い勝手”も、どちらも置き去りにしないように、丁寧にすくい取って設計の軸を探ります。
実家リノベにこそ、“これから”の視点を
実家は思い出が詰まった場所。でも、それだけではありません。
これからの暮らしを育てていく“新しい住まい”でもあるはずです。
親世代の和室中心の間取りを、今の生活に合わせて緩やかに変えたり、
昔ながらの造作家具を活かしながら、動線や収納を整えたり。
過去を大切にしながら、未来に向けて暮らしを整える。
それが、私が目指す実家リノベの設計です。
実家ならではのむずかしさと面白さ
築年数が古い建物、工法や構造の違い、ご家族の意見の食い違い。
実家リノベならではの課題はたくさんあります。
でも、そういった難しさの中にこそ、設計の面白さがあります。
対話を重ねることで、最初は見えていなかった“その家らしさ”が浮かび上がってくる。
正解は一つじゃなくても、家族にとって心地よい形は、きっと見つけられます。
おわりに:これから書いていきたいこと
設計の裏側や、日々の試行錯誤も含めて、このカテゴリに少しずつ記録していきます。
「こういう考え方もあるんだな」と思ってもらえたら嬉しいです。
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