蜜蜂と父と、わたしの実家

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実家の畑に、日本ミツバチの羽音が戻っていました

今は2つの群れが戻り、畑の片隅でにぎやかに暮らしています。
父が趣味で育てるミツバチたち。春先には巣箱が空っぽになって落ち込んでいましたが、
2つの群れが戻り、ほっとした様子です。

日本ミツバチは繊細で環境の変化に敏感、
気持ちを理解しないとすぐにいなくなってしまうと父は話します。
普段は無口な父も、ミツバチの話をするときは笑顔がこぼれ、楽しそうです。

父は昔大工をしていました。
今も野菜づくりをしたかと思えば、公民館の修理をしたり、
毎年正月には神社の大きな門松を作ります。
人の喜びがエネルギーに変わるタイプで、燃料切れを起こさないようです。

畑のすみっこにある「巣箱の村」

実家から歩いて5分ほどの畑にある養蜂箱は8つ。
多い時は満室になるそうですが、今はそのうち2つに日本ミツバチが住んでいます。
群れにはそれぞれ個性があり、ひとつは静かで落ち着き、
もうひとつは活発でブンブンにぎやかです。

父によると、「活発な方は、もう片方の群れから分蜂したばかり」で、
実家が手狭になり、近くに引っ越した娘家族のようなものだとか。
この環境を気に入ってくれていて、遠くに行かなくてよかったです。
新居を整えるのにしばらくは賑やかでしょう。
ミツバチ村に活気が戻り、本当に良かったです。

父の口数が増えるとき

ミツバチの話になると、父の口数が増えます。
害虫から守るために試した方法が原因で逃げてしまい、
そこから呼び戻すためにエサやりなど地道な作業を続け、
工夫したことを説明してくれました。

一度考え始めると頭から離れないようで、
私も少し似ているのかもしれません。

実家の風景に思うこと

手入れされた畑、蜂の巣箱、納屋には大工道具が並び、
木の香りが記憶を呼び起こします。
小川を見ただけで、川遊びした時の水草の感触が蘇ります。

実家は“今の暮らし”と“昔の記憶”が重なる場所。
たまにしか帰れないけれど、帰るたびに少しずつ変わっていて、
家族の変化に合わせ住まいも少しずつ更新されている。

そんな小さな変化が私の心に安心を与えてくれます。

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