プランニング|理想の暮らしをカタチに

この記事でわかること(3行要約)
  • 「これは無理よね?」と心で解決せず、言葉にすると案外簡単にできることも。
  • 動かすとコストへの影響が大きいものがわかります。
  • ゾーニングは大きなものから決めていくのがコツです。
目次

プランニングは“対話”からはじまります

はじめての実家リノベでは「どこまで変えられる?」「何を優先すればいい?」が分かりづらく、つい“全部新しくしたい!”と気持ちが先走りがち。
でも既存の家には動かせない部分がある――そこを押さえたうえで、建築士とキャッチボールを重ねると、ぐっと満足度の高いプランに育ちます。ここでは“打ち合わせを楽しむコツ”を中心にご紹介します。


1. まずは “動かしにくいもの” を共有しよう

大きな出費を覚悟すれば、動かせないものは少ない。変更コストに見合う価値があるかが判断基準。

動かしにくいものと、コスト感

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動かしにくいもの理由影響するコスト感
構造壁・耐力壁・柱建物を支える骨格。撤去や移動には補強工事が必須数十万〜規模次第で百万円超
水まわり(キッチン・浴室・洗面・トイレ)配管勾配・排気経路が決まっている1設備あたり20〜35万円の追加が目安
窓・玄関など開口部外壁の補修を伴い、雨水の侵入防止対策も必要1カ所あたり 20〜60万円 + 外壁仕上げ・防水補修分が上乗せ

建築士のリアルメモ
例えば、トイレの排水勾配がシビアな場合、トイレの床を上げないと適切な勾配が確保できません。
バリアフリーの観点からも、床の段差をわざわざ生み出すことは避けたい気持ちです。


2. ゾーニングは“大きな外枠”から

  1. 敷地と道路の関係を確認 ── 駐車台数・車種・アプローチ動線
  2. 玄関の向きと光の取り入れ方
  3. 共用部(LDK・水まわり)→個室→収納 の順に内側へ

敷地条件→玄関→LDK……と外枠→細部へ絞っていきます。2階建てなら、まず1階から固めていきます。
水まわりは配管の都合があるので、ほぼ固定されます。リビングは日当たりの関係で大まかな位置が決まります。
収納はカタチの融通が効くので大まかな位置さえ決まればいい。初期段階ではこんな感じです。

建築士のリアルメモ
駐車台数が増えたり、状況によっては減築や形状変更の可能性も出てきます。
建物の形状変われば間取りも見直になります。大きなところから確実に固めていくのがコツです。


3. 打ち合わせ前の「3つの宿題」

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宿題やることポイント
優先順位リスト「絶対に叶えたい」「できれば」など★でランク付け家族それぞれの★を見える化
一日のタイムライン平日・休日の動きを紙に書く動線の詰まりが見つかる
好きのスクラップPinterest/雑誌の切り抜き色・雰囲気が言葉より伝わる
  • “NG例” の写真も集める …嫌いが分かると設計が早い
  • 付箋やカラーマーカーを使う …家族会議もゲーム感覚で

4. 打ち合わせを“楽しく・濃く”する姿勢

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やりとり例なぜ大事?
「この柱って本当に抜けない?」と遠慮なく質問条件と代替案をその場で共有できる
予算も早めに伝えておく優先順位に合わせて工事範囲のバランスを考えます
暮らしのエピソードを話す(例:朝は犬の散歩が先)動線設計や収納計画のヒントになります
“保留メモ”をつくる検討事項の積み残しを防げます

建築士のリアルメモ
気軽に伝えられたご要望が難しかったり、「難しいですよね?」というご要望が簡単だったりします。
自分の心で解決せず、言葉で伝えることが大切です。

5. まとめ ― “制約”はアイデアのタネ

実家リノベは新築より「できないこと」が目につきがち。でも裏を返せば制約=オリジナリティを生むヒントです。

動かしにくい部分を早めに共有し、家族の“好き”と“暮らし方”を建築士にどんどん投げてください。やりとりの中で “できる+α” が見つかり、コストも満足度もバランス良く落ち着きます。

💬 質問・相談はお気軽にコメントでどうぞ!
「うちの場合はどう?」と聞いていただければ、次回の記事で深掘りします。

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