「実家、どうしようか…」
なんとなくそう思ったこと、ありませんか?
このページでは、実家をリノベーションして暮らすまでの道のりを、7つのステップでご紹介しています。
最初の気づきから、家族との話し合い、建物の確認、そして工事のスタートまで。
ひとつひとつ、あなたのペースで進めていけるように、建築士の視点でまとめました。
さあ、まずは最初の違和感に目を向けるところから、はじめてみましょう。
STEP0|暮らしの違和感に気づく

「このままでいいのかな?」という小さな違和感が、実家リノベのはじまりです。
最初は言葉にならない不安やモヤモヤだったものが、実は「暮らしを変えたい」という気持ちのサインかもしれません。
暮らしの中にひそむその小さな違和感は、多くの方がリノベを考えるきっかけになっています。
家の不具合よりも先に、まずは自分の中にある声に耳を傾けてみましょう。
【まず、できることから】
最近、実家で「ここ、ちょっと気になるな」と思った場所はありませんか?
その感覚をメモしたり、写真に撮っておくだけでも、あとから見返す大切なヒントになります。
STEP1|きっかけと向き合う

実家との関係や家族の想いに目を向けて、「なぜリノベしたいのか」を少しずつ言葉にしていきましょう。
ぼんやりしていても大丈夫。思いを整理することが、次のステップへの助けになります。
過去の思い出や、家族との関係性、実家という場所に対する気持ち。
それぞれの背景には、その人なりの物語があります。まずはそれにちゃんと向き合ってみることから始めましょう。
【このSTEPを進めるために】
「どうして実家を変えたいと思ったのか?」
そう自分に問いかけてみてください。
ノートに3つだけ、素直な気持ちを書いてみると、次の一歩が見えてきます。
STEP2|建物の現状を知る

実家のリノベーションを考えるとき、建物が今どんな状態なのかを把握することは欠かせません。
建築確認申請の有無、構造や基礎の劣化状況など、いわば「家の健康診断」を行うステップです。
ここで大事なのは、建物の劣化を悲観するのではなく「何を活かせるか」を見つける視点。
専門家と一緒に、建物の強みと課題を整理することで、リノベの方向性がぐっと明確になります。
【まずやってみよう】
図面や築年数、わかる範囲で建物の情報を集めてみましょう。
「どこまで残せそうか?」という視点で建物を見てみると、前向きな発見があるかもしれません。
STEP3|暮らしの希望を描く

今の暮らしへの違和感と、建物の状況を知ったら、次は「どんなふうに暮らしたいか」を考える段階です。
このステップでは、間取りやデザインよりも、どんな時間をどこで過ごしたいかという“気持ち”を大切にします。
一人で静かに過ごす場所がほしい、家族で集まる居場所をつくりたい。
そうした暮らしの願いが、設計の出発点になります。理想の暮らしを自由に描いてみましょう。
【暮らしを想像してみよう】
「朝起きたら、まずどこに行きたい?」
「家で一番好きな場所はどこ?」
そんな問いかけから、あなたの“心地いい暮らし”のヒントが見えてきます。
STEP4|相談と予算のこと

リノベの話が具体的になると、お金のことが気になってきます。
いくらかかるのか、どこまでできるのか、親とどこまで話しておくべきか…不安な点も多いかもしれません。
でも心配はいりません。不安があるのは当たり前。
大切なのは、ひとつずつ情報を集めて、誰かと相談しながら進めていくことです。
補助金やローンの仕組み、費用の分担方法など、わかることから知っていきましょう。
【ここから始めよう】
まずは「だいたいの予算」を考えてみましょう。
こだわりたい部分と、調整できそうな部分を分けて考えると、話しやすくなります。
STEP5|設計と準備を整える

ここからいよいよ、実際の設計と準備が始まります。
設計の打ち合わせ、仮住まいや荷物の整理、契約や近隣対応など、進めるべきことが一気に現実味を帯びてきます。
でもご安心ください。これまでのステップで、家族や建物、自分の気持ちと向き合ってきたあなたなら、ちゃんと乗り越えていけます。
計画はすべてを完璧にする必要はありません。自分たちらしい「準備のかたち」を見つけていきましょう。
【まず整理してみよう】
「仮住まいは必要か?」「荷物はどこへ置く?」
すぐに答えが出なくても、リストアップしておくだけで、安心して進められます。
STEP6|いよいよ工事スタート!

いよいよ工事が始まります。
住まいが生まれ変わっていく過程を見守る時間は、緊張と同時にワクワクの連続でもあります。
現場の人とのやりとり、思わぬ発見、迷いながらの選択…
そのすべてが、これからの暮らしにつながるプロセスです。
安心して任せるための心構えとともに、工事の時間もぜひ楽しんでください。
【ここを意識してみよう】
「自分が現場で見ておきたいこと」はありますか?
全部を把握しようとしなくても、気になることだけ決めておくと、安心感が違います。
リノベの先にある日々を、いっしょに描いていきましょう。
ここまでのステップを通して、「実家リノベ」の道筋が少しずつ見えてきたかもしれません。
でも、これはゴールではなく“新しい暮らしのはじまり”です。
家族と過ごす日々の風景、心地よく整った住まい、自分らしく過ごせる時間。
それらを叶える場所として、実家をもう一度ととのえていく——。
そんな未来を、一緒に描いていけたらと思います。